さらばスラド

スラドが終わってしまう

元々ここに引っ越してきた理由は、あちらの日記システムが止まってしまったからだ。だが、ここでサイト自体が終わってしまうとは。

あそこはスラドの前身のスラッシュドットジャパン(/.-J)の頃から知っていて、それっぽい話題を知るには良いところだった。それに、モデレーションシステムのおかげもあって、こういうのも何だが、古き良き…というか、ある程度自制の効いた雑談サイトだったと思う。

今、スラドの代替になるサイトはあるのだろうか。IT系にフォーカスはしているものの特定の何かをよいしょするわけでもなく、浅い代わりに手広く扱う。そういうのは、ぱっと思いつかない。それくらい、今となっては珍しいスタイルだと思う。はるか昔の個人運営サイトのような、化石のようなサイト。

スラドは、自分にとって、ネット上のサイトで最も付き合いが長かったところの一つでもあったと思う。比較できるのはAmazonとかくらいか? 長くサービスが続いていたせいで、参加者の年齢層が、年を経るにつれ上がっていくのが分かるという。そのせいで、落ち着きがある感じがしていた。

そしてスラドと言えば日記。スラドでは、今使っているアカウント(kenketsu)の前に、別のアカウントを持っていた。だが、とある事情でそのアカウントを使うのをやめて、しばらくはAnonymous Coward(AC)で記事を読み、2008年くらいに今のアカウントを取って、そのまま使い続けていた。

現時点でサイトに残っていた自分の日記エントリは、444個。だが、2016年くらいにその時に投稿していた日記を(これまた別の理由があって)全部削除したし、以前のアカウントで書いていた日記も合わせると、多分三倍くらい…1000エントリ以上は書いていたのではないかな。

スラッシュドットジャパンが始まった2001年当時には、あの日記的に書けるシステムが他になく、物珍しさもあってアカウントを取って日記を書くようになった。あそこは少し変な所で、どうせ誰も読んでいないだろうなと思っていると、たまにコメントが付く。そのコメントの内容が、やたらと濃かったりもした。

自分が文章を書くきっかけになったのも、あそこの日記だと思う。今も別に文章を書くのが上手なわけでもないが、他人が読むと思えばやはり少しは推敲する。それをずっと続けていたので、まあ、そこそこの文章は書けるようになったと思う。

そうそう、あそこの日記にはアクセス解析の機能が最初からない。だから、書いたものが誰にどのように読まれるのか・読まれたのかが全然分からない。でも、そのせいで逆に気楽に日記を書けたし、どんな変なことでも思うがままに書けたのは事実で、それが自分には良かったのではないかな。

それに、日記があそこのメインコンテンツではないからこそ、変に他者から注目を浴びたくない一方で、それでも他者とゆるーくつながっていられる場所だった気がしている。あと、1ヶ月経つとコメントも付けられなくなるから、書いたことは過去のこととして放っておけるし。

まあ、なくなってしまうものは仕方がないので、日記はここで続きをやることになるだろう。スラドでの過去の日記はデータとしてダウンロードしてあるので、ここに少しずつ復旧させていこうかな。