お仕事でのしゃべり方

自分が他人に仕事でのしゃべり方をレクチャーする時に言うこと。
何となく書き始めたが、せっかく書いたので、残しておく。
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スピーチとかで「あー」「えー」を言わないのはスキル。
才能や先天的なサムシングでは決してない。
スキルなので、やれば誰でも身に着けられる。

自分が「あー」「えー」を使いまくっているのを知るだけでも、だいぶ違う。
自分のしゃべっているのを録音して、「あー」「えー」の数を数えると、最初は絶望する。
「あー」「えー」で、いかに多くの時間を無駄に費やしているのかを測ると、やはり絶望する。
でも、絶望しているだけでは撲滅はできない。
それを知ること・認識することがスタート地点なのだから。

結論から言えば、自分が話そうとしていることに自信がないだけ。
自分にとって当たり前だったり、絶対的に自信があることをしゃべる時には、そういう言葉は入らない。
これは、普段の自分のしゃべり方を、少し客観的に観察すれば、すぐ分かることだ。
文言や文章を思い出しているだけだったり、原稿を読むような感じで話すのはやめる。
そういうやり方だと、「次なんだったっけ」になり、「あー」「えー」で時間稼ぎをしてしまう。

しゃべろうとしていることを、しゃべる前に徹底的に理解する。
覚えるのではなく理解する。
しゃべろうとしていることを自分のものにする。
他人の意見を伝達調・伝聞調でしゃべるのはやめる。
自分の意見や認識を、自分の言葉でしゃべる。
しゃべろうとしていることを数字にして、数字に語らせるのも楽でいい。

あと、ゆっくりしゃべるのは重要。超重要。
自分で「こんなに遅くていいのかな」とか、しゃべりながら他に考えを巡らせられるくらいが、実はちょうどいい。
早くしゃべり終わりたくて、話すスピードを上げるのは逆効果でしかない。
しゃべりのスピードが速いと、脳みそから言葉を引き出すのが間に合わなくて「次なんだったっけ」になる。

自分がしゃべっている声は、自分自身も聞いている。
自分がしゃべった言葉を脳みそが聞いている。
脳みそが、うまく話がつながるように次の言葉をリアルタイムで選んでいる、という感覚が自分にはある。
そういう観点からも、速すぎるしゃべりはすべきではない。

さらに、相手は自分ではないというのは、当然だけれど、強く意識すべきこと。
相手は自分ではないから、自分には当たり前だったり、自分が置かれている状況や前提事項を理解するのに時間がかかる。
相手が理解してくれないと、どんどんヒートアップして、話すスピードが上がっていってしまう。
でも、そんなことに意味は全然ない。
余計伝わらない。

だから、ゆっくりしゃべるし、相手が理解していないようなら、理解するための時間や手間を取る。
相手が理解している・いないのどちらであるかは、相手を見ていればすぐ分かる。
なので、しゃべっている時は相手を常に見る。
分かっていなさそうなときは、あえて脱線する。
というか、自分は相手しか見ていない。
しゃべろうとしていることは自分の当り前なので、何も見なくてもしゃべれるから。

そして、相手がこちらのしゃべりに割り込める「隙」を必ず作る。
そうしないと、相手がよく分からないままに話だけが進んでしまって、結局相手が何も理解していない、という状態になり勝ち。
これは、できるだけ短い文章をつなげてしゃべったり、話の中で切りがいいところで少し時間を置いたり、とかやり方は色々ある。
それでも、しゃべりの主導権は握り続ける。

他にも意識して実践していることはあるはずだが、入門編としてはこんなものか。
これに続くのは、結論ファースト、ロジカルツリーとかかな。
この辺りは、昔、プレゼンの練習をしている時に身に着けたもの。
プレゼンしている自分を録画して見た時には、正直言って絶望した。
あの時と比べて、プレゼンスキルが向上した自覚はあまりない。
でも、相手に分かってもらいたいことは、大筋で伝わるようにはなった。

しゃべった結果で、相手をどんな状態に持って行くのが目的・目標なのか。
しゃべった結果で、相手にどう動いてもらうのが目的・目標なのか。
それらを意識してしゃべるだけでも、結果は全然違うと思うのだけれどね。
自分が一方的にしゃべって気持ち良くなることが、仕事でのしゃべりの目的ではないのだから。